「たまひよ」アプリユーザーに「実家では『普通』と思っていた料理が『全国的には少数派だった!』という経験はありますか?』と、エピソードを大募集。「それはアリなの?」という料理&食べ方が集まりました。
そこで管理栄養士の五賀ひろかさんに「栄養学的にすばらしい!」という、少数派料理ベスト4と、「ちょっと気を付けたほうが…」な料理へのアドバイスをいただきました。
管理栄養士 五賀ひろかさんが選ぶ1位は「ニンジンおでん」
「おでんに太めのスティック状にした人参を入れます。彩りも良いし、出汁もでるし、栄養もとれます」(かず)
五賀さん「おでんにジャガイモはよく聞きますが、おでんは野菜の具が少ないので、ナイスアイデアだと思います!ブロッコリーやキャベツなど火の通りやすい野菜を加えれば和風ポトフのようになり、おでんは苦手というお子さんにもオススメです」
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2位 消化をスムーズにする「大根おろし丼」
「ご飯に大根おろしを乗せる大根おろし丼。酢醤油をかけていただきます。夫に驚かれたけど、普通だよね…?」(まひろママ)
五賀さん「大根おろしにはむくみ防止のカリウム、便通に良い食物繊維が豊富で栄養学的にもオススメ。さらにでんぷんとタンパク質、糖質の消化を助ける効果があるので、ちょっと食べすぎた日の〆にすると効果抜群です」
3位 減塩効果ばっちりの「お刺身にポン酢」
「私はしないけど、息子が刺身ならなんでもポン酢でたべる」(ゆうまま)
五賀さん「病院で管理栄養士として勤務していたとき、減塩指導で私も採用していました。血圧が気になる方などは、是非取り入れてみてください」
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4位 保水効果でお肉がしっとり「砂糖入りの唐揚げ」
「砂糖入りの甘めの唐揚げ!実家の料理では3本の指に入るくらい好きですが、夫は『…好みでない』と。実母からは『我が家以外はあまりしないかも』と言われて驚きました」(シロクマ)
五賀さん「砂糖には保水効果があるので、お肉がしっとりジューシーに揚がります。ただ、砂糖が入ることによって焦げやすくなるので注意を」
まだまだあるよ、管理栄養士おすすめの少数派料理
このほかにも「おお!」という料理や食べ方について、五賀さんに伺いました。
糖質多めの【カレー】を一工夫して愛され料理に
「カレーにこんにゃくとしめじをいれる」(みなほ)
「カレーにヨーグルトを入れる」(あや)
五賀さん「カレーはどうしてもご飯多め=糖質多めになるので、こんにゃくはカサマシ効果が期待でき、さらに食物繊維もとれて一石二鳥です。高野豆腐にすると大豆タンパク質を補えて、さらに体にやさしいカレーに。
カレーにヨーグルトも味がマイルドになるので、子ども向けのアレンジや、2日目カレーの味変にしてもいいですね」
ヨーグルトではこんな声もありました。
「ヨーグルトを白米と一緒に食べる」(アンネ)
五賀さん「ヨーグルトにはカルシウムや乳酸菌が含まれるため、ご飯と合わせると栄養バランスが整います。ご飯だけを食べるより血糖値の上昇がゆるやかになるので、栄養学的には“あり”です」
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実は何にでもあう⁉ 砂糖系料理
「カリフラワーを茹でて砂糖醤油をかける」(ミルフィー*)
「子どもの時からソーセージを砂糖醤油で焼くのが好きでしたが、夫からは大不評…」(あーと)
五賀さん「砂糖醤油=焼き餅、おせんべいを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は照り焼きでもあります。そう思うと味に親近感が出てきて食べやすくなるのでは」
まだまだあるよ、砂糖系の少数派料理
「卵焼き用のフライパンに砂糖とバターを溶かして食パンを投入。両面によくまとわせて完成。秒でできる割に砂糖が飴状になってカリカリで美味しい。卵焼き用のフライパンが食パンにぴったりサイズ」(たけお)
「きな粉に砂糖をたくさん入れて、白米に(ふりかけのように)かけて食べる」(mii)
「生卵と砂糖のみの卵かけご飯」(ばたこ)
「お餅を砂糖で食べる」(あの)
「納豆に砂糖」(あかたん)
「トマトに砂糖」(マル)
続いて「ちょっと気を付けたほうがいいかも…」な料理に対して、管理栄養士としてのアドバイスをいただきました。
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関西では普通⁉ 炭水化物(お好み焼き、タコ焼き)をおかずに白米
「お好み焼きをおかずにして白米と一緒に食べる」(yurusheep)
「お好み焼き、焼きそばの時は絶対に白米がいるけど、夫はいらない派だった。2人とも関西人なのに(笑)」(リーヤん)
「メニューが何でも白米あり。焼きそば、パスタ、シチューなどでも必ず白米が出る」(きっき)
五賀さん「実は私の夫も、お好み焼きには白米が欠かせないタイプ。とても美味しいらしいです。しかし炭水化物+炭水化物では糖質が多め。そこで私はお好み焼きの小麦粉を減らし、野菜多め&鶏卵や豚肉などを多めにするカサマシ作戦をしています」
「お好み焼きに納豆を入れることです。夫に『え?』と言われて気づきました。だけど、栄養価も上がるし、子どもが成長したら作ってあげようと思っています」(りさ)
五賀さん「“りさ”さんのアイデアもすばらしい。納豆の粘りが生地をまとめて、加熱することで納豆の臭みも消えて食べやすくなり、しかもタンパク質もとれて栄養価が高まります」
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【シチューに白米】はあり? なし? 管理栄養士による和解案とは
「シチューを白飯にかける」(moco)
という、シチュー白米論争の声も目立ちました。五賀さんに見解を伺うと、
五賀さん「我が家もシチューにご飯を合わせますが、野菜がとれる混ぜ込みご飯や炊き込みご飯にすることが多いです。シチュー単体で味が楽しめて、ご飯系も単体で味わえるのでwinwinです」
五賀さんが唯一「気を付けたほうがいい」と言う、少数派料理とは…
「とんかつにマヨネーズをかけて食べる」という声には要注意とのこと。
五賀さん「パン粉は油の吸収率が非常に高く、マヨネーズも油分が非常に高く、ほぼ油です。うま味がありとても美味しい食べ方とは思いますが、とんかつにはソース、またはおろしポン酢がオススメです」
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まだまだあるよ、少数派料理
「タルタルソースにらっきょうを入れる。我が家だけの変なルールだと思ったら意外と周りにいた(鳥取県民あるある??)」(りん)
「実家ではポトフはトマトベース。夫曰く『それはミネストローネじゃない?』と。確かに(笑)」(もん)
「おでんにジャガイモ。ポテサラにりんごやキウイ」(みぃ)
「すき焼きにほうれん草やジャガイモ」(くま)
「さつまいものレモン煮」(ぽんし)
「そうめんにみかんの缶詰」(ふみ)
「そうめんの味噌汁!」(おたけ)
「たくあんをお汁粉につけて食べる」(あた)
「おばあちゃんが生味噌をつけたおにぎりをよく作ってくれました。焼きません。すっごく美味しいのに、『焼かないの?』と、必ず言われます」(かぽ)
「実家では春巻きにケチャップをかけて食べます。これがスタンダードだと思っていたら、夫に『普通かけないよ』と言われてビックリ!」(うさこ)
あなたの実家の味はありましたか? 家庭の数だけ家庭の味があるようです。
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五賀ひろか
PROFILE)
料理家/管理栄養士。病院勤務時代には特定保健指導などダイエットに特化した業務を経験し、高齢者向けの料理教室なども行っていました。妊娠中に野菜ソムリエの資格をとり、子ども向け料理教室も主催しています。
プロの料理家としてサンキュ!STYLEライター、Nadia artistなどで活躍し、企業向けレシピの開発・コラム執筆なども手掛けます。SNSの総フォロワー数は約15万人。“今夜何を作ろう?”と、いうママのお悩みに応えるシンプルな材料&手順のレシピや、ホットケーキミックス研究家として、家事の合間にささっと作れる本格スイーツレシピを紹介しています。プライベートでは姉妹の母。現在は克服していますが、長女の食物アレルギー(小麦・卵・乳・大豆など)があった経験をもちます。
取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2025年1月の情報で、現在と異なる場合があります。
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