「たまひよ」アプリユーザーに「お子さんの教育費について心配はありますか?」と、質問。「心配はあるが何とかなると思っている」という楽観視が51.8%とトップに。一方で「心配はない」という断言はわずか8.4%でした。教育費の貯蓄方法では「株・投資」がトップという、令和らしい回答となりました。
Q.お子さんの「教育費」について心配はありますか?
心配はあるが何とかなると思っている 51.8%
心配がある 39.8%
心配はない 8.4%
アンケート回答者の約7割が共働き夫婦で、うち正社員は54.1%です。子どもが乳幼児、もしくは妊娠中ということもあり、「ゆくゆくは、母が本格的に働けば」という考えから「何とかなると思っている」という希望的観測があるようです。とはいえ妻が正社員でも「“心配はない”と断言はできない」と、不安を感じている人は多いようです。
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Q.お子さんの「教育費」について、やっていることを以下の中から全てお選びください。(複数回答可)
1位 株・投資(NISAなど)
2位 毎月決まった額を普通預金、定期預金などに貯蓄
3位 不定期(余剰金、お祝い金など)で普通預金、定期預金に貯蓄
4位 特にしていない
5位 学資保険で貯蓄
6位 その他
トップは「株・投資(NISA)」でした。「預貯金ではなく、お金を1円でも増やすために何をするべきか」と、真剣に考える若い世代が増えているようです。
一方で「特にしていない」は4位に。
「お子さんの教育費について、心配・困り事や現在の貯蓄計画について教えてください」と、募集すると、お悩みが浮き彫りとなってきました。多かったお悩みについて、FPの前田菜穂子さんの見解です。
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①きょうだい分となると、全部でいくら貯めればいいかわからない
「現在、子どもは1人ですが、にぎやかな家庭に憧れがあります。しかし子どもが増えると1人あたりに使える教育費が減る。将来、子どものやりたいことを制限してしまうのでは、と悩んでいます」(ふくまる)
「教育費がどれくらいになるか、詳しく試算していないこともあり、しっかり貯められるか心配ではあるけれど、夫婦である程度貯蓄はあるので、ゆっくり貯めていこうとは思っています」(ねるねり)
「教育費は『どう準備するか』が大切。早めの準備なら投資も選択肢に」と、FP前田さん
大学費用は国公立で約500万円、私立理系で下宿なら1000万円超が必要です。0歳から年20万円貯蓄しても足りないことが予想されます。お金を理由に夢を諦めたくないのなら、何ができるかを考えましょう。共働きを続けるか、奨学金を活用するかなど、働き方や生活費の見直しを。早めの準備なら投資も視野にいれることをおすすめします。
“ねるねり”さんの場合、夫婦の収入が高いからと教育費を分けて貯めないままでいると、いざという時に不足することがあります。高等教育の修学支援新制度(授業料・入学金の免除または減額と、返還を要しない給付型奨学金)を利用できる世帯年収には条件があります。全ての家庭に当てはまるわけではないので、計画的に準備しておかないと思わぬ負担がかかる可能性も。詳しくは文部科学省のHPをごらんください。
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②教育費を貯めたいけれど、お金の余裕がない
「妊娠出産を機に仕事を辞めました。今は夫の給料で生活していますが収支がトントン。家計がやばい事に気づき、保険の見直し、生活費の見直しをしています」(たぶ)
「学資保険はしていますが心配なので、NISAなどの投資を始めたいけど、そっちに回すお金がない」(はんなっちょ)
「投資は余裕資金が理想ですが、少額でも早く始めれば時間を味方にできます」と、FP前田さん
“たぶ”さんは家計を見直し中とのこと、素晴らしいです。浮いたお金は少しでも先取り貯蓄に回せると安心です。“はんなっちょ”さんは学資保険で基本の準備はできていますが、不安もありますね。投資は余裕資金が理想ですが、少額でも早く始めれば時間を味方につけることができます。
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③周りが教育に熱心なので、流されて習い事でお金がかかりそう…
「最近、子ども2人とも学資保険に入り、少し余裕ある時やお祝いをもらった時は口座に貯めています。けれども、これから長女の習い事でお金かかるかもと不安」(あのちゃん)
「周りが受験や塾通いなど意欲的なので出費が嵩みそう…」(あい)
「見栄やセールストークに流されず、上限の金額をきちんと決めましょう」と、FP前田さん
“あい”さんが心配されるように、周囲の影響を受けて、習い事のセールストークに流されて、子どもの楽しそうな笑顔にほだされて…というように、幼児期の習い事に財布のヒモが緩みがちになることはあるある。ところがいざ受験になったら資金が少ない…というパターンも、非常にあるあるです。
幼児期に多くの支出をすると後々家計が厳しくなりがちです。例えば“あのちゃん”さんの場合は、お祝いは口座にためているそうなので“習い事はお祝いでいただいた金額の範囲内までとする”など、上限を決めるのはどうでしょうか。
塾に通う年頃になると、次々と塾のコマ数や個別指導を増やしたくなるかもしれませんが、無理は禁物です。子どもの可能性は無限大ですし、さまざまな選択肢があります。けれども周りのペースに流されず、無理をせず、自分たちの身の丈に合った教育計画をしっかり立てましょう!
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④教育費について、夫と足並みがそろわない…
「夫と意見が合わない」(ひろ)
「学費の定義で、入園準備品も含めるか否か、どこまでを学費とするか、夫婦間でのすり合わせが難しい」(きなこんぐ)
「夫がとにかくお金の管理ができないので困る」(ま)
「夫婦で意見が合わないときは、数字を見せて冷静に話し合いましょう」と、FP前田さん
夫婦で意見が合わない場合、感情的に話すことはNG。現在の収支と、今後の計画を具体的な金額で示すことが非常に重要です。「どこまでを学費に含めるか」などで悩む場合、文部科学省が行う「子供の学習費調査」の調査項目に合わせて設定すると、納得しやすくなります。気が重い人もいるかもしれませんがお金の話を後回しにせず、「大きなお金がかかるって聞いて心配なの。お願い!一緒に考えて」と、訴えてみてください。
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前田菜穂子
PROFILE)
みつめFP事務所代表で、1級FP技能士(国家資格)、CFP®(日本FP協会)、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月~令和7年9月)、J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザー 、FPmamaFriendsおこづかい教室認定講師。猛烈に働いた13年間の会社員生活での挫折や長く続いた不妊治療経験など、人生の壁にぶつかったことをきっかけに、金融業界未経験ながら5年間猛勉強してFPの資格を取得。“今より幸せで円満な家庭づくりのお手伝い”をモットーとし、娘として、妻として、母として、そして専門家として広い視野をもち、親子や夫婦でも話題にしづらい「お金のハナシ」に向き合うきっかけを提供しています。プライベートでは一児の母。
(取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部)
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※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年12月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数224人)
※記事の内容は2025年2月の情報で、現在と異なる場合があります。
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