「片づけなさい!」と言わない日はない、散らかったおもちゃのあと片づけ。おもちゃの片づけ習慣について「たまひよ」アプリユーザーの実情を聞くとともに、お片づけ習慣化コンサルタントの西﨑彩智さんのアドバイスをお届けします。
困ってます!子どものおもちゃの片づけどうしてる?
まず、みんなのおもちゃの片づけのエピソードについて聞きました。
◾️片づけまわっています
「遊ばないのにおもちゃを出したがる。踏んだりして怪我させるのも嫌だから、母は神経質なくらいに遊ばないおもちゃは片づけてまわっています」(あーと)
◾️見本を見せてお片づけ
「一緒に片づけできるように、片づけようと声をかけて見本を見せています。『また持ってきてー』と声をかけて持ってきたら、ありがとうとお辞儀付きで返すと反復してるような気がします」(N)
◾️片づけやすい量に工夫
「おもちゃの数を減らして、片づけが簡単にできるようにしています。たまにおもちゃはクローゼットにしまってあるものと入れ替えています」(こち)
◾️ベビーベットにポイ
「使わなくなったベビーベッドに、ポイポイポイ」(まひろママ)
◾️専用の箱が出来上がっています
「外食などでお子様ランチを頼むたびに増えていくおもちゃ。こっそり減らしているものの、子どもって全部覚えていて『あれどこいったのーっ』とすぐ言われるので、結局捨てないで、こっそりとっておく箱ができあがってます」(あず)
◾️お昼寝タイムに片づけ
「おもちゃが増えるばかりで置き場所が少なく、困っています。赤ちゃんのおもちゃは遊びながらバラバラに散らばったものを、お昼寝で寝たタイミングなどで親が片づけています」(ちくわ)
◾️大きめの収納が必要!
「可愛くてつい買っちゃうから増えます。入らない分は出しっぱなしです(笑) 大きい収納を買わないとなぁ」(まつりママ)
◾️一緒にお片づけすることも
「1人で片づけたくない日もあるようで、その時は一緒にお片づけをします」(ちゃんこ)
◾️片づける日もあれば逃げる時も
「全く片づけない子でしたが、たまに几帳面さを発揮しています。一応、毎回『お片づけ一緒にしようー』と、誘います。片づける日もあれば、即逃げる日もあります」(あゆよ)
◾️捨てるよーを声かけ
「床に置いてあったらゴミと思って捨てるよって、見つけたら言っています。片づけBOXは細かく分けず、入れるだけにしています」(ゆう)
◾️なかなか難しい
「積み木入れの箱に積み木を片すのも拒否して、ひたすら積み木をかき出すので片づけさせることができません。3歳までには片づけを身につけて欲しいのに難しい…」(かびごん)
◾️ご褒美のテレビ電話
「寝る前にお片づけする時、お片づけが終わったらばぁばとテレビ電話をする約束をしているので、声をかけて促したら結構やってくれます!」(みほ)
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幼児期からはじめたい片づけ習慣と、収納の工夫とは
ここでは、片づけ習慣を身につけるためのポイントを西﨑 彩智さんにアドバイスしてもらいました。
「みなさん、お子さんが片づけしやすいように工夫されていますね。
子どもの片づけの習慣をつけるために大切なことは、まず環境づくりです。
片づけの基本は、使ったものを元に戻す作業ですから、子どもが遊んだおもちゃを元に戻しやすい定位置を決めるといいと思います。まだ小さいお子さんであれば、棚の一番下が自分でも取り出しやすく、戻しやすいですね。棚の位置は、成長するにつれ取り出しやすい中段、上段と変えていくといいと思います。
片づけの習慣は2、3歳くらいからと思われがちですが、座ったままでかごの中にポイと入れられる月齢からスタートできます。子どもは遊びの中で学んでいくので、『このかごの中へポイって入れてみて』『ナイナイしようね』などと、はじめは見本を見せながら一緒に片づけるといいと思います。片づけも遊びの要素があると、子どもも楽しくなるのでポイポイとかごの中に入れ、片づけるようになります。そして、できたら『すごいねー、できたねー』と褒めて、片づいた環境がとても気持ちのいいことを伝えることが大切です。
とはいえ、遊びに熱中する年齢になると、片づける時間になってもなかなか片づけられないこともあると思います。
そんな時は、『競争しよう』『ママ(パパ)と一緒に片づけよう』などと、声かけしてみてはいかがでしょう。きっとお子さんにもお片づけを楽しんでもらえます。もし小さなお子さんの場合、疲れてしまったら『ここからは片づけるね』と、ママやパパが片づけてしまってもOKです。お子さんの年齢や状況によって判断してくださいね。
反対にNG行動は、子どもがテレビを見たりやゲームなどをしている側で、ママやパパだけで片づけてしまうことです。これではいつまでたっても、子どもは片づけ習慣を身につけることができないので、注意しましょう。
そしてつい言ってしまいがちなNGワードに『片づけないと捨てるよ!』があります。これを言ったら、その通りに実行してください。もったいないから隠してしまうだけでは、子どもは『いつも言っているだけ…』と、慣れてしまいなめられてしまうだけ。このワードの効果は1度きりしかきかないと思って、真剣さを伝えるためにもママやパパも覚悟を持った態度が必要です。もちろんおもちゃは捨てなくても、人に譲るというのでいいと思います。
また、片づけの時間も大事です。毎日同じくらいの時間帯、夕食前を目安に片づけの声かけするといいですね。夕食前なら、『もうすぐご飯前だから、おもちゃを片づけようね』と、片づけを促しやすいのではないでしょうか。
片づけが終わったら、『きれいになると気持ちいいね』『片づけてくれて助かったよ!』『早くできたね』などと、片づけが気持ちいいことや、片づけのメリットを伝えることが大事です。
片づけの習慣は、すぐに身につけられるわけではありません。できる日もあれば、できない日もあり、つい怒りたくなる気持ちになることもあると思います。そんなときは、気持ちをグッとこらえて、気長な声かけと『片づけると快適』になることを伝えていきましょう」(西﨑彩智さん)
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子どもが片づけやすい環境づくりのポイント
◾️遊ぶ時のおもちゃは5分以内に片づけられる量に
子どもが片づけられる時間は、5分くらいが限界です。見えるところにたくさんおもちゃがあると、どれもこれも出したくなるので、おもちゃは5分くらいで片づけられる量を手に届く場所に置き、あまり遊ばないおもちゃは手に届かない場所に保管して、たまに入れ替えるという方法も。片づけを自分でできた!という達成感も大事です。
◾️自分で片づけやすい小さめのかごの活用
片づけは、自分で戻しやすい場所だけでなく、元に戻しやすい量というのもポイントです。おもちゃ箱は大きめのものが多いですが、小さめのものであれば自分で戻しやすく、簡単に片づけられるので達成感も味わわせることができます。遊ぶ時だけでも、自分で持ち運べるかごに入る分だけおもちゃを入れて、遊び終わったら片づけるようにしてみては。
◾️おもちゃの量は、管理できる量を心がけて
体験談にあるように新しいおもちゃを購入するときは、1つ処分もしくは、誰かに使ってもらうことが大事です。自分で管理できる量を知ることは、片づけ習慣を身につけるためにとても重要なことだからです。祖父母からのプレゼントで、おもちゃがどんどん増えてしまうこともあるので、祖父母には、プレゼントは誕生日とクリスマスだけと事前にお願いするのもいいかも。
◾️あまり使わなくなったおもちゃは必要な場所へ
使わなくなったおもちゃは、必要としてくれる小さなお友だちや、公民館など活用してもらえる場所に譲渡する方法も。仕分ける時は、ママやパパだけでおもちゃを決めるのではなく、子どもと一緒に「これはいる?お姉(お兄)ちゃんになったから、〇〇ちゃんに使ってもらう?」などと、子どもの意思を確認しながら仕分けて、一緒に持って行っていくのがオススメです。
片づけ習慣は、一生続くことなのでしっかり身につけさせたいと思うのが親心です。焦らず、気長な声かけと、片づけがいかに楽しく、気持ちいい環境を作るということを伝えることが大事ですね。
(取材・文/酒井範子、たまひよONLINE編集部)
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※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2025年2月の情報で、現在と異なる場合があります。
西﨑 彩智さん
PROFILE)
お片づけ習慣化コンサルタント。株式会社Homeport 代表取締役。自らの片づけ代行のノウハウを個人だけでなく、学校や企業などで「片づけ習慣化」の講座やセミナーを多数開催し、受講者は3000人以上。著書に『キッチン「から」片づければ、家は必ずキレイになる!』(小学館)『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(すばる舎)『人生が変わる片づけの習慣』(朝日新聞出版)などがある。
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