たまひよ

書籍『我が子が発達障害だと分かったら絶対に知っておきたいこと』を出版した、図書館情報学学士の桃川あいこさん。実生活では、発達障害グレーゾーンの子どもを成人まで育ててきたお母さんです。現在は大学生として毎日を楽しんでいる桃川さんのお子さんですが、ここに至るまではとても大変な道のりがあったそう。2回にわたるインタビューの前編では、小さいときから感じていた本人の発達特性、小学校に入ってから大変だったこと、現在のお子さんとの関係など、詳しくお話を聞いていきます。


数字やアルファベットをあっという間に覚えてしまう一方、育てづらさが目立ってきて…


――桃川さんの子育てについてのお話を聞かせてもらえますか?

桃川さん(以下敬称略) わが家には2人の子どもがいますが、上の子どもが発達障害のグレーゾーンだと言われています。
生まれたときから、すごくかわいがって育ててきたんですが、今思えば、1歳代から発達特性が目立っていました。数字やアルファベットにばかり興味が強くて、あっという間に覚えてしまうとか、パズルもすごい速さでできてしまうとか。しかし、当時の私は何も知らず、親ばかが勝っていたと思います。

1歳になる少し前から近所の同年代の親子とつながり、イベントや、リトミックなどの教室に行ったり、公園に行って会ったりするようになりました。すると、1歳の後半辺りから、わが子は極端に家以外の建物に入ることを拒否したり、ほかの子どもを怖がって避けるようになったりといったことが増えてきました。当時の私は孤立しているような、子育てが自分だけうまくいっていないような、そんな感覚がありました。


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