運動不足や加齢によって衰えやすい足腰の筋力。そのなかでも、姿勢や歩行に深く関わる「腸腰筋」は、健康的なからだづくりに欠かせない重要な筋肉です。腸腰筋を鍛えることで、正しい姿勢の維持や腰痛予防などにもつながります。今回は、自宅で無理なく続けられる腸腰筋ストレッチをご紹介します。
腸腰筋とは?
腸腰筋とは、大腰筋・腸骨筋・小腰筋の総称で、股関節や大腿部を動かす筋肉のことです。股関節や体幹を安定させるなどの働きがあり、正しい姿勢の維持や歩行に貢献します。
インナーマッスルである腸腰筋は深層にあるため、見た目や手触りでは感じづらいかもしれません。しかし、この腸腰筋が弱っていると姿勢の悪化や腰痛などの原因になる可能性があるので、注意が必要です。また、そのなかでも姿勢の悪化は、肩こり・便秘などの不調や、ぽっこりおなか・猫背などの見た目の変化につながることもあります。
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腸腰筋を鍛えるメリット
腸腰筋にアプローチすることで姿勢の改善や足腰の健康維持などにつながります。
姿勢を改善できる
腸腰筋を鍛えることで骨盤が正しい位置をキープできるようになり、自然なS字姿勢を維持しやすくなります。そのため、反り腰や猫背などの姿勢の改善につながるでしょう。これにより、腰痛や肩こりの解消にも効果が期待できます。
また、姿勢の改善は見た目の印象にも影響を与えやすいです。ぽっこりおなかなどが解消されることで見た目がスッキリしたり、「だらしない」「自信がなさそう」などの印象が薄くなり、第一印象がよくなったりしやすくなります。
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足腰の健康を維持できる
腸腰筋が硬いと股関節の動きが悪くなってつまづきやすくなったり、歩行時に足腰に負担がかかったりする場合があります。そのため、日頃から意識して動かすことで、これらの不調が軽減できるでしょう。
おすすめの腸腰筋ストレッチ
ここからは、具体的なストレッチ方法についてご紹介します。家で手軽にできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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腸腰筋ストレッチ【1】
(1)四つん這いになり、片足を両手の間に置く。
(2)後ろの脚を可能な限り後ろにずらす。(足の甲は寝かせる)
(3)息を吸いながら上半身を起こして、両手は前のひざに添える。
手に体重がかからないようにする。
前脚のひざがかかとより前に出ないように注意する。
(4)息を吐きながら、少し重心を下げる。
(5)股関節の伸びを感じながら30秒キープする。
前のひざがかかとより前に出ると、つま先に体重が乗ってしまい、前ももに負担がかかりやすくなるので注意しましょう。
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腸腰筋ストレッチ【2】
(1)ひざ立ちになって、両手は腰にあてる。
(2)両足を肩幅に開く。
(3)息を吸いながらゆっくり上半身を後ろに反らす。
(4)余裕があれば手でかかとをつかむ。
ポーズをキープしたまま3〜5回ほど呼吸を繰り返します。腰を反らすというよりは脚の付け根を前に押し出すイメージです。なお、腰痛がある人はこのストレッチは控えてください。
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ストレッチの注意点
ストレッチを行う際は、無理をせずに正しい姿勢を意識しましょう。痛みを感じるほど無理に筋肉を伸ばすと、筋肉や関節を傷める原因になります。心地よいと感じる範囲で、ゆっくりと行うことが大切です。
また、毎日継続することもポイントです。ちょっとしたスキマ時間やお風呂上がり、就寝前など、自分が続けやすいタイミングでストレッチを行う習慣をつけましょう。
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腸腰筋ストレッチで健康なからだをキープしよう
ふだんあまり意識しない腸腰筋ですが、実は重要な筋肉のひとつです。今回ご紹介したストレッチは家で手軽に取り組めますので、ぜひ、毎日の習慣にしてみてくださいね。腸腰筋にアプローチして、健康的なからだをキープしましょう。
PROFILE
ヨガインストラクター・ライター
高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
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