俳優の勝矢さんと真風涼帆さん夫婦は、ミュージカル『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』での共演をきっかけに出会い、結婚、そして家族になりました。夫婦で生後3カ月(取材当時)のお子さんを育てながら、仕事と子育てに向き合う日々を過ごしています。今回は、2人の出会いから結婚までの話を聞きました。
全2回のインタビューの前編です。
2人で食事に出かけたその日から、不思議と感覚が合った!
――出会いは、2023年のミュージカル『LUPIN』がきっかけだそうです。
勝矢さん(以下敬称略) 僕は妻と出会うまで、宝塚を見たことがなくて、その世界のことも正直よく知らなかったんです。舞台で共演して、彼女が宝塚出身の方なんだ、ということを知ったくらいでした。
舞台期間中、少しずつ言葉を交わすようになって、「一度、ごはんでも食べながら話しましょうか」という流れになり、公演中に2人で食事に行くことになったんです。そこで話してみたら、びっくりするくらい感覚が近くて。自分がもし女性だったり、女きょうだいがいたら、こんな感じなのかな、と思うくらい自然に話ができました。食べ物の好みやファッションの話もそうですし、考え方の部分でも、完全に同じではないけれど、ずっと会話が止まらない感じで。
それに、自分のことって、意外と自分ではよくわからないじゃないですか。でも彼女に相談すると、スッと腑に落ちる答えをくれる。「じゃあ、こうしてみたら?」と言われると、「なるほど、そうしよう」と素直に思えたんです。こんな人がパートナーだったらいいなと思って、公演が終わってからおつき合いが始まりました。
真風さん(以下敬称略) 『LUPIN』は、宝塚卒業後、初めての舞台でした。当時の私は、長年走り続けてきた宝塚歌劇団を退団して、環境も大きく変わり、これからどうしていったらいいのか、戸惑いや不安が大きい時期だったんです。
そんなときに、勝矢さんから声をかけてもらって、少しずつ話をするようになっていきました。価値観や考え方の部分で共感できるところも多くて、とても尊敬できる人だなと感じていました。
彼のことが好き、という気持ちはもちろんですが、何より、彼と一緒にいるときの自分を好きでいられたことが大きくて、「これからも一緒にいたいな」と自然に思うようになりました。
――2023年11月の舞台で出会って、結婚を発表されたのが2024年の9月。短い期間でのお付き合いとのことですが、どのように結婚へと進んでいったのでしょうか。
勝矢 そうですね。期間は短かったんですけど、当たり前のように、結婚する方向に話が流れていきました。2人とも、早いとは思っていないんですよ。でも、結婚式が終わってあらためて振り返ってみたら、「あれ?まだ1年ちょっとしか経ってないんだ」と驚くような、そんな感覚でした。
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驚きと喜び!一生忘れられない“最高のプロポーズ”
――プロポーズは、どちらからですか?
勝矢 僕からでした。彼女との会話の中で、「お互いにもういい歳だし、子どものことも真剣に考えたいよね」という話になったんです。そのときに僕は、「いや、ちょっと待ってくれ。この流れでいったら、もう結婚の話になるよね。このままの流れは嫌だから、近々、ちゃんとプロポーズさせてほしい」と、プロポーズ宣言をしました。
彼女が友だちとランチに行く日があって、「その日にしよう」と決めたんです。彼女が出かけている間に花束を買って、スーツに着替えて、家で帰りを待っていました。ただ、その日のランチが長くて…(笑)。最初はプロポーズの言葉も短かったんですけど、なかなか帰ってこないから、頭の中で何度も推敲しているうちに、どんどん長くなっちゃって。
真風 玄関を開けたら、緑の上下セットアップのスーツをびしっと着こなした彼が立っていて、それだけでまず驚きました(笑)。プロポーズの宣言はされていたんですが、私の中ではもっと先のタイミングだと勝手に思い込んでいたので、想像していたよりずっと早くて、心の準備もできていないまま、本当にびっくりしました。
勝矢 そこでプロポーズの言葉を伝えて、花束を渡しました。言葉の内容は長すぎるので、ここでは言えないですけど(笑)。短い期間で結婚までたどり着いたことへの思いを、一生懸命伝えました。
真風 プロポーズの言葉を聞きながら、うれしい気持ちと同時に、「これ、長すぎて覚えられないかも・・・。あとで聞かれたときに答えられるように覚えておきたいのに、動画とか撮ればよかったかな?」なんて思いもよぎって、心が忙しかったです(笑)
そのあと、私も着替えて、彼が予約してくれていたレストランに食事に行ったんですが、そこから家に帰ってきたら、今度は手紙とバラの花が一輪、置いてあったんです。プロポーズの言葉とはまた違う、すてきなメッセージが書いてあって・・・。
プロポーズは事前に宣言されてはいたんですが、やっぱり、ちゃんとあらためて想いを伝えてもらえると、こんなにもうれしいものなんだなと感じました。一生忘れられない、最高のサプライズプロポーズでした。
――結婚を発表された当時、“ルパン婚”などと話題になっていましたね。一緒に舞台に出演された方々も、みなさんびっくりしたんじゃないですか?
勝矢 ニュースを見て、びっくりしたんじゃないですかね。
真風 出演者のグループLINEがあるんですけど、そこに「おめでとうございます!」というメッセージもたくさんいただきました。
勝矢 演出家の方からは、劇中のセリフをアレンジして、「カリオストロ伯爵夫人のハートを射止めたのは、ガニマール警部でしたね!」と連絡をいただきました(笑)。僕は舞台の上ではほとんど彼女とはからみのない役どころだったので、みなさんにとっては、かなり予想外の相手だったのかもしれません。
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ジャンルを超えて祝福が集まった、心に残る結婚式
――勝矢さんは自身のInstagramで、すてきな結婚式の様子を投稿されていますね。結婚式のプランは、主にどちらが考えたのですか?
真風 ほとんど2人で決めました。本当に二人三脚という感じで、ひとつひとつ話し合いながら決めていったんです。お互い年齢を重ねてからの結婚だったこともあり、会場や衣装、食事など、すべてにおいて、これまでお世話になった方々とのご縁や支えがあってこそ実現できたものだなと、しみじみ感じる結婚式になりました。準備期間も含めて、「ご縁に感謝だな」と感じられる時間でした。
勝矢 本当にたくさんの方に参列していただきました。結婚式は、舞台の幕が開くような感覚ですね。2人で一生懸命準備をする時間もワクワクして楽しくて、まるで「けいこができない舞台」みたいな感じでした。そして、始まってしまえばもう最高で(笑)
人前式の進行は、歌舞伎役者の友人にお願いしたのですが、紋付袴姿で登場して、ユーモアを交えながら進めてくれて。最後はビシッと、歌舞伎の言い回しでしめてくれました。
真風 余興についても、宝塚時代の仲間たちに相談したら、みんながたくさん力を貸してくれて。本当に特別なステージになりました。
勝矢 宝塚時代のみなさんの出番になると、新婦側の席がほとんど空いちゃうんですよ(笑)。新郎側のゲストに、まるで宝塚のショーを見せているような、なんともぜいたくな時間でしたね。
真風 新郎側のゲストの方から「宝塚を見たことがなかったけど、見てみたくなりました」と言っていただけて、とてもうれしかったです。式場は遠方だったにもかかわらず、お忙しい方ばかりが足を運んでくださって、それにも本当に感激しました。
勝矢 披露宴のラストは、歌と踊りで大いに盛り上がって、夜空には大きな花火が打ち上がって…本当に幸せな時間でした。
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妊娠がわかった瞬間、「私たちのところへきてくれたんだ」と喜びをかみしめた
――そしてしばらくして妊娠がわかったそうですね。妊活はされていたのでしょうか。
勝矢 子どものことは、僕自身、もう50歳も近かったので、難しいかなと思っていたんです。でも、妻と出会って、子どもの話になって、「もし子どもが授かれるなら、俺は大歓迎だよ」と伝えました。それで、2人で話し合って、妊活についてもきちんと取り組もうということになったんです。
真風 年齢的なことを考えて、病院に通いながら、先生に相談して妊活を進めていきました。もちろん、思うようにいかないときもあって、先が見えないことに不安になったり、気持ちが沈んだりする時期もありました。仕事のことも含めて、いろいろ悩みながら過ごしていたと思います。
結果的には、ありがたいことに授かることができましたが、決して簡単な道のりではなかったですし、年齢のことも含めて、いろいろ考えながら進んでいました。ただ、こういうケースもある、というひとつの例として、だれかの気持ちが少しでも軽くなったらいいなと思っています。
――妊娠中、つわりなど体調の変化はありましたか?
真風 つわりの時期は、トマトしか食べられなくなりました。においもダメになって、煮ものや焼きものなどが受けつけなくなりました。だから、お店に行くと、いろんな食べもののにおいが混ざっていて、それがとにかくダメで・・・。
勝矢 トマトケチャップなら食べられるから、オムライスを食べに行こうとなって行ってみたら、そこのお店がクリーミータイプのおしゃれなソースのオムライスだったんです。でも、当時の彼女はそれが食べられなくて…。それで、「ダメだ。私はもう、何もおいしいものが食べられなくなるんだ・・・」と。「いやいや、今だけだと思うよ」とひたすら励ましました。
――真風さんは年齢的なこともあり、出産について不安はありましたか?
真風 もちろん不安はありました。心拍が確認できるまで、安定期に入るまでと、ひとつひとつのタイミングを慎重に乗り越えてきた、という感覚です。無事に生まれてくるまでは、子どものことは公表しないと、2人で決めていました。
妊娠がわかった瞬間も、「わあ、やった!」と両手をあげて喜ぶような感じでは、年齢的にもなかったかなと思います。「来てくれたんだ、よかった」という気持ちで、静かに喜びをかみしめていました。
勝矢 夫婦で、「うれしいね!でも、ここからだよね」という感じだったよね。
お話・写真提供/勝矢さん、真風涼帆さん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
舞台をきっかけに出会った2人は、食事に行ったその日から、お互いに共感できるものを感じたそう。ある程度の年齢を重ねてきた者同士、子どものこともきちんと話しながら、自然と結婚する流れに進んでいったそうです。そして、ドラマティックなプロポーズ、そしてたくさんの人がお祝いに駆けつけてくれた結婚式は、2人にとって感謝しつくせないほど幸せな1日に。さらに、妊活を経て第1子を授かったときは、夫婦で静かに喜びをかみしめたそうです。
後編では、お子さんとの日常や出産時の話、これからの家族について聞きました。
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勝矢さん(かつや)
PROFILE
1975年、兵庫県生まれ。2011年、映画「あしたのジョー」ではマンモス西役に抜擢され、映画「テルマエ・ロマエ」、舞台「フル・モンティ」に出演し注目を集める。2014年フジテレビ「HERO」で警備員・小杉啓太役を演じる。ドラマ「アルジャーノンに花束を」、映画「信長協奏曲」など数々のドラマ・映画・舞台に出演。強面な悪役からコミカルな役、また誰もが親しみやすい役まで幅広く演じ分ける俳優として、ドラマ・映画・舞台など様々な場で活躍している。2024年9月に俳優・真風涼帆さんと結婚を発表し、翌年9月に第1子の誕生を発表。
2026年3月13日(金)には、公開映画「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」、同月にミュージカル「ロマンティックス・アノニマス」出演が控えている。
真風涼帆さん(まかぜすずほ)
PROFILE
熊本県出身。2006年に宝塚歌劇団入団し、2017年に宙組男役トップスター就任。2023年宝塚歌劇団退団。代表作には、『天は赤い河のほとり』、『オーシャンズ11』、『アナスタシア』、『シャーロック・ホームズ』、『カジノ・ロワイヤル』など。退団後はミュージカル・ピカレスク『LUPIN』、真風涼帆1st Concert「unknown」、「エリザベート TAKARAZUKA30thスペシャル・ガラ・コンサート」などに出演。2024年9月に俳優・勝矢さんと結婚を発表し、2025年9月に第1子の出産を発表。
2026年4月25日~5月24日まで、EX THEATER ARIAKE OPENING LINEUP『AmberS-アンバース-』に出演予定。
●記事の内容は2026年2月の情報で、現在と異なる場合があります。
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