2023年11月に第1子を出産し、現在2歳の女の子のママである、アナウンサーの弘中綾香さん。2026年1月、自身の妊娠・出産体験をつづったエッセイを出版した弘中さんに、子育てで大変だったことや、仕事との両立で感じる葛藤などについて聞きました。全2回のインタビューの後編です。
子どもの病気の大変さを痛感したRSウイルス感染症
――2023年11月に女の子を出産した弘中さん。娘さんの成長の様子はいかがですか?
弘中さん(以下敬称略) 今、2歳4カ月を過ぎて、自我がしっかり芽生えてきた感じです。おしゃべりも主張も激しくなってきました。
――どんな主張をしますか?
弘中 ささいなことなんですが、ぶどうジュースじゃなくてりんごジュースがいいとか、身につけるものはピンクじゃなくて水色がいいとか、そういうこだわりを強く主張してきます。そろそろイヤイヤ期なのかもしれません。
服を脱ぎたくないとか、おむつを替えたくないと主張して、出かける準備が進まないことはよくあります。時間に追われているときは、なんとか気分を盛り上げて準備させようとするんですけど・・・なかなか手を焼いていて、決定的な解決方法はまだ見つけられていません。
――娘さんが0歳のころの育児を振り返って、大変だったことや印象に残っているエピソードはありますか?
弘中 娘は生後5カ月ごろから保育園に通い始めたのですが、生後半年になるくらいのときにRSウイルス感染症にかかってしまったんです。熱はそんなに高熱ではなかったと思うんですが、鼻水やせきが出ていて受診したら検査でRSウイルスに感染していることがわかりました。
体調が悪くてつらそうな娘がとてもかわいそうでしたし、私も病気の子どもを看病するのが初めてで、どうしたらいいのかわからず、かなりあわてました。
娘は2〜3日で治ったんですが、そのあと私に感染してせきが止まらなくなってしまったんです。自分も体調が悪い中、保育園をお休みする娘を見なければならないのは本当に大変でした。すでに職場に復帰していたので、仕事の調整と、娘のことと、自分の体調と・・・子どもが病気になるとこんなに大変なんだ、と痛感しました。娘の体調が回復してから、保育園に登園できるまでの間は、病児保育を利用したり、母に来てもらったりして、なんとか乗り越えました。
――離乳食についてはどうでしたか?
弘中 娘は食べる食べないのムラがあったり、豆腐やヨーグルトなど白いものしか食べない時期があったりしましたが、いつの間にか出したものをいろいろ食べてくれるようになりました。
ただ、アレルギーに関しては気をつけないと、と反省した出来事が。卵黄が食べられたので卵白も大丈夫だと思って、しっかり加熱した全卵を少しだけ与えたら、顔にじんましんが出てしまったんです。すごく驚いて、パニックになりました。
すぐ受診すると、皮膚テストのような検査をして「卵白ですね」と言われました。卵白のほうがアレルギー物質が多いということは、あとから知りました。娘に申し訳なかったなと思っています。
――アレルギーがあるとわかったあと、少しずつ食べさせたりしましたか?
弘中 はい。アレルギー専門医の指導のもと、毎日1~2gから与えるところから始めて、徐々に量を増やしながら1〜2カ月ほど続けたと思います。万が一じんましんが出たときの薬ももらっていました。体が大きくなると耐性もついてくるみたいで、今では全卵を使ったメニューもすっかり食べられるようになりました。
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保育園のケアの手厚さに感謝!
――生後5カ月過ぎたころから保育園に通っているそうです。保活はどうしましたか?
弘中 産前にいろいろと調べてはいたんですが、産後に引っ越しをすることになったので、引っ越し先の保育園を調べるところから始めました。見学を申し込んで娘を連れて見に行ったり、近所に住む会社の先輩にどの園がいいか聞いたりして。11月に生まれたあとでの保活スタートだったので、選択肢も限られていたんですが、現在の保育園に入園することができました。
――保育園生活で戸惑ったことはありますか?
弘中 ほとんどありません。戸惑うというより、手厚いな〜と思ったのは離乳食のことです。離乳食を始めるときに「家庭で試していない食材は出せません」と、食材リストをもらってどんな食物を食べたかチェックする作業がありました。離乳食から食べさせてくれることに驚きました。
保育園の給食は本当にありがたいです。家だと同じメニューが続きがちですが、保育園では毎日違うものを食べさせてくれるので、娘にもいろんなメニューにチャレンジするいい経験になっていると思います。
――好き嫌いはありますか?
弘中 家ではけっこう好き嫌いが多いんですけど、保育園の給食の時間は楽しいみたいで、お友だちが食べていると娘も食べられるようです。先生が食べ残したメニューや内容を記録して保護者に伝えてくれるんですが、最近は残すことも少なくなってきたみたいです。
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仕事と子育ての両立に感じる葛藤
――育休中は、仕事復帰についてはどんなふうに考えていましたか?
弘中 仕事に早く戻りたいと思っていました。産休中の自分は本来の自分ではないような感覚があって、早く「自分」に戻りたいという気持ちで復帰を決めたような気がします。
――今回のエッセイの中で「母だけを生きることがしんどかった」という言葉も印象的でした。言葉にするのは勇気がいるのかな、とも感じましたが・・・。
弘中 自然と出てきた言葉です。この本は、初めてでこれからも経験できない第1子の子育てについて、いろいろと書き残す備忘録のようなものが始まりで、自分の気持ちを素直に書いただけなんです。
その言葉がどのように受け止められるか、深く考えていたわけではありませんでした。同世代の女性にメッセージを伝えたいという意図でもありません。私のひとり言だと思って読んでもらえたらと思います。
――現在は仕事をしながら、17時に保育園に迎えに行き、仕事と子育てを両立しているそうです。働き方について葛藤を感じることはありますか?
弘中 私の仕事は番組収録が17時スタートで22〜23時くらいまでかかるという仕事も多いです。以前は急に仕事が入っても予定を調整して仕事を優先することができましたが、今は娘がいるので急な予定変更が難しく、やりたい仕事でも急に言われると担当することができず、フラストレーションがたまることもあります。
でもそういったことも上司に相談して、可能なかぎり柔軟に仕事をさせてもらっています。「前みたいに働けない」ということが寂しかったり悔しかったり感じるようなことはあるし、解決策は見つかっていないけれど、1人で抱え込まないように、だれかに相談するようにしています。あとは夜遅い仕事があるときはシッターさんにお願いしています。
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子育てをして感じる自分の変化
――以前のように働きたいという気持ちはありますか?
弘中 あります。子どもが生まれる前と変わらず働いている夫をうらやましく思うこともあります。夫に限らず、独身の友だちや子どもがいない友だちは自由に食事に行けるし、休みがあれば2泊3日くらいの旅行もできる。そういうフットワークの軽さがうらやましいです。私は何をするにも調整が必要なので、そこが出産していちばん変わったところかもしれません。
――ほかに、子育てをして変わったことというとどんなことでしょうか。
弘中 子どもを育てるって、1人では手が回らないこと、気力があっても続かないこと、気力すらわかないこともありますよね。1人では無理で、保育園や一時預かり、シッターさんなど多くの方の助けを借りて、ようやく生活が回っています。子育てを通して、自分の無力さや未熟さに気づいて、人の弱さやもろさに共感できるように変わったと思います。
これまで私は、仕事などは比較的うまくこなせるタイプだと思っていました。でも、子育てって本当に思うようにはいきません。私より得意な人たちに手伝ってもらわないといけない状況で、人に助けてもらうことへの感謝を、より強く感じるようになりました。それは私にとって大きな成長だと思っています。
お話・写真提供/弘中綾香さん 取材・文/早川奈緒子 編集・構成/仲村教子(entente)、たまひよONLINE編集部
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息抜きの時間について質問すると「友だちとごはんを食べながらおしゃべりする時間を意識して持つようにしている」と弘中さん。「前よりは回数は減りましたが、私の大事な息抜きになっています」と話します。
弘中綾香さん(ひろなかあやか)
神奈川県出身。2013年にテレビ朝日に入社し、アナウンス部に所属。数々の人気番組に出演するほか、雑誌での執筆活動など幅広く活躍している。2023年、第1子女児を出産。
たぶん、ターニングポイント
人気アナウンサー・弘中綾香さんが妊娠・出産・育児のリアルを本音でつづるエッセイ。思いがけない妊娠からつわりや産後の壮絶な日々で出会った「新しい自分」とは? プライベートフォトも多数収載!弘中綾香著/1540円(朝日新聞出版)
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