成長とともに子どもは、うそをつくようになることも。かわいいうそは微笑ましい反面、本当にこのうそを笑って見過ごしていいものなの?と迷うことはありませんか?
「たまひよ」アプリユーザーの体験談を聞くとともに、幼児期の子どものうそについて、青山学院大学コミュニティ人間科学部教授の菅野幸恵さんに教えてもらいました。
つい笑っちゃたままでいい?わが子のうそエピソード
まず、みんなのかわいいうそや心配なうそについて聞いてみました。
◾️こども園に行っていたのに?
「『友だちとアイスを食べに行ったよー』と言っていたこと。こども園に行ったはずなのに…」(あい)
◾️息子の手紙に騙されて…
「3歳からピアノを習っていた息子。小学校にあがり、自分で字が書けるようになるとある日、突然手紙を渡してくれました。私は人生初の手紙にウキウキして中を読んだら『母へ ピアノがんばるからおこつがいください』(書き間違いもかわいい。笑)と書いてありました。しょうがないなぁ~と、その時は500円玉を握らせたが、その後、息子が自主的にピアノを練習することはありませんでした…」(あんじぃ526)
◾️自分でやった傷なのに
「自分で皮をむいて血が出たのに、転んで擦れたと言ったことです。傷を見ればわかるので、『うそが1番ダメ』と話しています」(クローバー)
◾️パパのせいにしたこと
「おねしょをした時、『パパがした』と言ってきたことがあります…」(かちく)
◾️チョコを食べたのに知らんぷり!
「息子が置いてあったチョコレートを勝手に食べていて、私が知らないふりをしながら、『誰かが勝手に食べてる!誰~?』と大げさに言ったら、慌てて口を手で押さえて、モゴモゴしながら首を振っていました」(くじら)
◾️友だちとのトラブル?!と思ったのですが、うそかも…
「引っかき傷を『これは〇〇ちゃんがやった』などと言うように。いつも同じお友だちの名前で、最初はえっ?!と、びっくりしていましたが、何回も言われると、『あ、これはうそなのかも…』と思うように。うそとはいえ頭ごなしに否定できないので難しいです」(どらねこ)
◾️ニヤニヤしながら返答
「できること、わかることを、『できない、わからない』と答えることです。ニヤニヤしながらの返答は、かわいいです」(ばなな)
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うそをつけるのも発達のひとつ。騙すという意図は大きくなく、うそのほとんどは、発達のプロセスのなかで生じるものです
ここでは、菅野幸恵さんに子どもが「うそ」をつくにはどんな理由があるか、その背景と大人はどのように対応するといいか教えてもらいました。
「ユーザーさんの体験談、どれも微笑ましいエピソードです。すぐにバレてしまうようなものばかりで、相手を騙そうという意図は大きくなく、心配なうそは見当たりません。
ただおうちの人にとっては、自分の子どもがうそをつくというのはショックなことですし、自分の関わりに問題があるのかと思ってしまうこともあるかもしれません。
うそがつけるようになるのも発達のひとつです。また幼児期の子どもがつくうそは、目くじらを立てるものではなく、記憶力が未発達だったり、現実と想像を混同してしまって、結果的にうそになってしまうことが多いです。
また自分を守るためにうそをついてしまうこともあります。アイスのエピソードは、現実と想像を混同してしまったために、うそになってしまった例だと思います。
子どもは自分の頭のなかで考えていることと現実の区別がつかなくなってしまうことがあります。「○○だったらいいなあ」と思っていることが現実に起こったかのように語ることがあるのです。このお子さんも、お友だちとアイスを食べに行きたいなーと考えていたんだと思います。
傷やおねしょ、チョコのエピソードは、自分を守るためのうそです。2、3歳くらいまでの間に子どもたちは他者とは異なる『わたし』という感覚を育てていきます。そして3歳くらいになると、していいことといけないことの区別もついてきます。
子どもにとって叱られることは避けたいことです。してはいけないことをすると、おうちの人から見捨てられるのではないかと思ってしまいます。叱られないように、苦し紛れのうそをついてしまうのです。
できるのに、できないというのも『わたし』という感覚が育ったゆえのうそだと思われます。ニヤニヤしながらというのは確信的ですが、人に知られたくない『わたし』の世界があるからこそなのではないかと思います。
おこづかいのエピソードは、他のうそとちょっと違っています。これは未来に向けてのうそで、そのときはピアノを頑張るつもりだったのではないでしょうか。私たちも、友人や知人と今度ごはんを食べに行こうと言いながら、実現しないことありますよね。
子どものうそにどう対応するのか。『うそついてはいけません』『なんでそんなうそをつくの?』と頭ごなしに叱るのは逆効果です。委縮して、怒られないようにまたうそをついてしまうかもしれません。なぜうそをつかなければならなかったのかを理解して、本来してもらいたいことを伝えましょう。
例えば、引っかき傷のエピソードなら、『痕が残ってしまうかもしれないから、お友だちに引っかかないでと言ってね』などです」(菅野幸恵さん)
うそをつけるようになるのも成長の証、微笑ましい姿が目に浮かびます。心配なうそは、つかなくてはいけない背景を考えることが大切なんですね。
(取材・文/酒井範子、たまひよONLINE編集部)
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※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2026年7月の情報で、現在と異なる場合があります。
菅野幸恵さん
PROFILE)
青山学院大学コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間学科教授。専門は、発達心理学で研究テーマは、乳幼児期の親子関係、地域コミュニティでの子育てについて。著書に、『つながりの子育て―子どもをまんなかにしたコミュニティづくりを、問いなおそう』(理工図書)『あたりまえの親子関係に気づくエピソード65』(新曜社)などがある。
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